シネマで死ねない

語ることについて語るときに僕の語ること

悪人の話

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [DVD]
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バイトの後輩にワケがわからないくらい萎える話っておすすめされた"There Will Be Blood"を観ました。この後輩との会話自体にも大きな気付きがあったのでそれはまた後で書くとしよう。

 

生まれ持ってした悪人について最近考えていたのでなんか映画観ていろいろ考えました。自分は自我の芽生えとともにブチ切れたり、ちょっとお咎めを食らうようなことに焦がれていた。かまってもらうために日常的に嘘をついていた、しかもバレないようにこっそりと。14歳以前の記憶は申し訳ないが嫌なものしかないし、そういったことが原因なのか、むしろそれらが結果なのかは分からないけれど善悪の感覚が人とはずれている、と最近気がついた。刑罰の抑止力って自分にとっては本当に大きい、拘留されたら旅行に行けないからね。

 

さてこの主人公は悪人なのでしょうか。

いろんな人のレビューで悪人悪人書かれててそんなもんかなーとも思ったりしますが

そうでもなくない?って思ったり。

自己中心的だとは思う。自分の思い通りに進めるためには手段を選ばず、最後にはついに殺人に手を染める。でも最後は最後で落ちぶれた彼だからこそイーライを殺すに至った訳であり、イーライに一度殺されている(それが物理的ではないというだけ)のでおあいこじゃねと自分なんかは思うわけです。その他のことに関しても、例えば自分の弟(実際にはそのふりをした人)についても、息子(本当は血が繋がっていない)についても復讐しただけだと思うんです。

正義は秩序のためで復讐は自己満足

バットマンの中でも言われているから、自己中心的だなとは思うけど、どうしても自分にはこいつが悪人には思えない。